プロフィール

 国立キングスは「最年長69歳をはじめとしたベテランを若手が盛りたてる」ことを一つの特徴としており、意外性のあるチームとして活動。国立キングスの精神は、「野球の神様」に叱られないよう全力プレーを心がけることです。「いい試合をした後の充実感」・・・これが国立キングスの目標です。
 また、国立キングスは、楽しくかつ真剣に野球に打ち込み、皆で一丸となって真のチームワークを追求するチームです。チームカラーはアットホームで皆が熱い思いを持っています。

組織・役員

役職 名前 一言
会長・監督 高乗正臣 最年長現役プレーヤー
監督補佐 和田昭平 キングスの女房役
主将 中川聡 キングス魂の体現者
ヘッドコーチ 小路賢一 歩く野球辞典
外野コーチ 斎藤誠吾 玄人好み
内野コーチ 永井秀和 不動の4番
バッテリーコーチ 土居祐輔 野球先生
広報部長 高乗智之 縁の下の力持ち
広報課長 松島考志 元祖盗塁王
マネージャー 真梨亜 女性プレーヤー
特攻隊長 西澤和晃 韋駄天
野球小僧 石井翔也 野球狂
センス抜群 水浦大鵬 憎めない男
天才肌 倉中勇人 一級品

国立キングスの「白球幸福論」について

 言うまでもないことだが、草野球のチームにはそれぞれ個性と特徴がある。同じ高校の野球部出身者で構成されているチームあり、同じ職場で働く仲間で作ったチームあり、住んでいる地域を土台として結成されたチームありと、さまざまである。
 野球好きが集まったという点では同じだが、チームにはそれぞれの理想があり、目標があり、譲れない考え方があるだろう。何を一番大切にしているか?何を目指してゲームに臨むのか?
 何よりも勝敗にこだわるチーム、ナインの親睦を第一に考えるチーム、技術の向上を目標にするチーム、いろいろな考え方があってよいと思う。チームの数だけ個性があるのだから・・・。このように考えると、草野球のチームは、ちょうど僕ら一人一人の個人と同じように「人格」を持った存在だということに気がつく。それぞれ個性のある監督や選手達が集まって、一つの個性あるチームを作る。監督や選手はチームのために努力・貢献し、チームは選手個人個人のためにある。監督やコーチは時々交代するし、選手も常に入れ替わる。でも、チームは歴史を重ねていき、各地の野球連盟や草野球界で一定の評価を受ける。実際の社会での個人の場合と同じように・・・。

 われら国立キングス球団は36年の歴史を持つ。選手の年齢層は広く、20歳の若手から58歳のベテランまで全員現役のプレーヤーである。硬式経験者はごく少数である。もちろん、チームは古ければ良いというものではないが、よくぞ今日まで続いてきたというのが正直な実感である。初代の監督はすでに故人となり、かつてチームの中心選手だった人達の多くは引退していった。特定の高校の野球部の出身者で作ったチームでもなければ、職場が一緒でもないチーム。
 国立という場所を拠点にして、友人、親戚、知人を集めて結成し、今日まで続けてきた純粋のクラブチームだ。選手間の考え方の違いから分裂の危機に見舞われて、みんなで徹夜で話し合ったことも少なくなかった。「たかが野球、されど野球」というやつで、どうしても譲れないことは譲れない。俺が辞めるか君達が辞めるかなどという議論は、二度や三度ではなかった。

 譲れなかった点はただ一つ。キングスを「誇り高いチームにしたい」。ただこれだけだった。試合に勝って野球に負けるようなゲームはしたくない。ゲームに対しては、当然勝ちにいくが、ただ勝っても楽しくない試合があり、負けて悔しいが楽しい試合もある。それは、選手個人が楽しかったか、充実していたかという次元ではなく、チームという人間が楽しかったか、充実感を味わったかで決まるように思う。私の理想は、ここにある。つまり、選手個人個人の充実感とチームそれ自体の充実感が合致するとき、本当の理想の野球ができたと思うのだ。このようなとき、心の底から「今まで野球をやってて良かった」「野球をやってて幸せだ」と感じる。こんなときは、とてもまっすぐ家には帰れない。夕方のファミリーレストランのテーブルのまわりに選手の笑顔が揃うことになる。窓に映る夕焼けがとても美しく見え、ナイン一人一人の笑顔にしみじみと幸せが漂う。

 このような試合を1試合でも多く、このような時間を1分でも多く、選手のみんなと共有したい・・・。これが、36年もチームを続けてこられた原点なのかと思う。

                                             

2002年12月
国立キングス球団 会長 高乗正臣